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2021.03.15

【お坊さんにお悩み相談】大切な恩師から誤解をされてしまいました

何気ない毎日の中でも、仕事や家族、子育て、人間関係など、なんだかモヤモヤしてしまう「お悩み」は湧いてくるもの。そこで、今回は「今日も一日おつかれさま」のコーナーで、ご執筆いただいている僧侶のみなさまに、お悩みを解決するためのヒントをいただきます。

事前にご応募いただいたお悩みに、3人の僧侶がお答え。3週に渡ってお届けします。お一人目は、お寺カフェの店長や、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う 木原祐健(きはら ゆうけん)さん。

先行き不安なこの時代に生きる私たち。みんな同じ悩みではないけれど、ひととき、心をほぐすきっかけになれば幸いです。


〜 お悩み 〜

大切な恩師から誤解をされてしまいました。誤解を解きたいという気持ちよりも 、誤解されたことにショックを受けています。

恩師は90歳で、認知症も少し患っていらっしゃいます。その誤解が認知症のせいだと思いたい気持ちもあるのですが、もしそうであったとしても、私の今の気持ちは変わらない気がします。私のことを、そんなひどい事をする人間だと思われたことが 悲しくてなりません。
毎日辛いですが、自分から誤解を解きたいとは思わないのです。 一度、それは誤解だと事実をお話させていただきましたが、納得されていないようでした。
このまま時間が経って、気持ちが和らぐのを待つしかないのでしょうか。でも、きっとまた思い出すと悔しい気持ちになると思います。 どうぞアドバイスをよろしくお願いします。

きぃちゃんさん(57歳)



〜お悩み解決のヒント〜

まずはご自分のお気持ちを、そしてご自分の身体を大事になさってください。

きいちゃんさん、ご相談をお聞かせいただきありがとうございます。悲しい、悔しい、ショック……色々な気持ちが渦巻いておられるご様子が伝わってまいります。

文面からいただく印象から、きいちゃんさんがこれまで生きてこられる中で、その恩師の方を本当に大切に思っていらっしゃったのではないかとお察しいたします。それだけに、今回のことはきっとショックだったでしょう。

私にも大事な恩師がいますが、誤解を受けたらと思うと、それだけでも苦しい気持ちになります。たとえ誤解の原因が認知症にあったとしても、ご自分が傷ついたことには違いありません。「今の気持ちは変わらない」ということ、それもいいんです。まずはご自分のお気持ちを、そしてご自分の身体を大事になさってください。

もし落ち着いてきたら、便せんと封筒を用意して(切手は用意せずとも大丈夫です)、在りし日の先生を思いながら、お手紙を書いてみてはいかがでしょう? どんなことを書いても大丈夫。筆を進めるうちに思わぬ言葉が出てくるかもしれませんが、それでも大丈夫。正直に文字にしてみましょう。「もういいかな」と思って書き終えたとき。書いた手紙を見返してみるとき。自分の気持ちとの関わり方が少しずつ変わってくるかもしれません。

私はワークショップで、若い頃に死別した母に向けて、こうして手紙を書いたことがあります。手紙に並んだのはここに書けないような言葉ばかりですが…亡き母と、長年自分が抱えていた気持ちと、少し仲良くなれた気がするんです。



お答えいただいたのは…

木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。
著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。


木原さんを含む、僧侶のみなさんによるリレー連載『今日も一日おつかれさま(※)』は、毎週、月曜日・木曜日・日曜日の22:00に更新しています。一日の終わりに読むと、肩の荷がふっと降り、スイッチをオフにできます。こちらも併せて、ぜひご覧くださいね。

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