Blog 大草直子の毎日AMARC
これ、バッグの話です。昨年中ずっと欲しくて、何度もブティックに通い、結局やめたのが、バレンシアガの新しい名品「ロデオ」。Mサイズのタンカラーを買おうと思ったのに、なんでやめたと言うと。バレンシアガといえば、ミレニアル世代のストリートラグジュアリーを提案し、華麗にカムバックした、と言うのが、私のイメージ。
チャームバッグも、ミュウミュウの次くらいに早かったですよね。でもさ、なんか、「若いブランド」って感じがどうしてもしてしまう。上質なレザージャケットや、細身の美脚パンツ。スペインでクチュールハウスとして創設され、そしてフランスのブランドとなったバレンシアガだからこそ、の、「大人のリッチな不良」みたいなイメージだったのに。ケイト・モスがタバコ片手にサラッと着ている、みたいな。
それが、大きなロゴや、あまりにボリュームのあるスニーカーなど、普通の大人は手を出せなくなってしまった。なのになのに、「ロデオ」は、サイズやチャームのあるなしによりますが、軽く50万円は軽く超えてくる。形としては好きだし、きっと、流行に関わらず、私のスタイルにはずっと似合うだろうな、と思ったけど、このスピード感に出す金額か、とやめました。
アルチザンの確かな手によるヴァレクストラやデルヴォー、もちろんエルメスの方が「お金をかける意味」があるかな、と思ってしまったのです。でもさ、この3つのブランド大好きだし、相当リスペクトしていますが、どうしたって私が持つと「マダム感」が増すんです。もちろん、マダム特有の迫力や強さを愛してやまないのですが、バレンシアガに求めたのは、「リッチで大人な不良感」ですよ。ううう、着こなしには絶対必要、でもあくまでもスパイスーーを買うのに、今は、60万円払わなくてはいけないのね。と、踏ん切りがつかずやめました。と、このしつこい文体に私の気持ちが表れていますね。
そして今欲しいのは、ロエベのフラメンコ。ロエベは、スペインの王室御用達のブランド。布帛みたいに柔らかで滑らかなレザーと、フランスの繊細さともイタリアの格好良さとも違う、良い意味でのコンサバ感があったのに、今や「Z世代の憧れのブランド」。前デザイナー、ジョナサン・アンダーソンのどこか夢のあるストーリーが見られて、他のどのブランドとも違う個性を表現していたな、と思っていたのですが。私には少しファンシーすぎるな、とも←色々うるさい(笑)。
でもでも、このフラメンコは、今年の気分にぴったり♡ ブラウンのカシミヤニットにネイビーのコーデュロイパンツ、ボルドーのブーツなんていうカラリングに合わせたい!!! と、また伊勢丹をうろうろしている怪しい人になっています。
実は、この間、ボッテガ・ヴェネタの「アンディアーモ クラッチバッグ」もウィッシュリストに入っては消えてをしていました。以前は、この手の瞬間的に熱が上がる(まあ、熱のようなものですよね)バッグは、30万円前後だったので、その後子供に譲るか、なんて言い訳をして、それでも助走をつけて買っていたわけですが、60万円だとそうはいかない。
①エルメスのバーキンやシャネルのマトラッセのように、値を下げない永遠のマスターピース(しかも需要と供給が合っていない)みたいに資産価値があるのか。
もしくは、②流行り熱かもしれないけれど、今の私のおしゃれをグッと前に進め、何より、試合に勝った後みたいにアドレナリンが出るような興奮を味わうか。
それか、③2年くらい年100回くらいもてば元が取れるから、と割り切るか。3つのどれかだな、という考えに至りました。だとすると、私に必要なのは、実は「流行り熱に浮かされること」かもなあ。だって名品は少しずつ大切に集めてきたし、コーディネートに何度も登場するバッグもある。買うか、買わぬか。「ロデオ」に心も戻すか、もしくは「フラメンコ」か。楽しみに待っていてください(笑)。