Blog 大草直子の毎日AMARC

さて、2025年は日本の歴史において、そして女性の働き方においても、エポックメイキングなニュースが生まれました。初めての女性総理の誕生です。遅いくらいだし、様々なドラマを経てのできごと。先進7か国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカ)のうち、国のトップに女性がなかった国は、日本を入れて3か国あったのですが、それを「いち抜けた」年でもあります。ちなみに、国家元首(言い方が各国違うので)が未だ「男性だけ」なのは、アメリカとフランスだけ。残り2か国になりました。カナダは女性の首相が1人いましたが、約4か月という短さ! と、先進国においてもこれなんですから、世界全体で見ると、まだまだ、という感じ。
それはさておき(長くなるので)、高市早苗総理のファッションについて語る前に、チャッピー(chatGPT)にまとめてもらった、政治年表をここで。
1961年3月 奈良県生まれ
1993年7月 衆議院議員初当選
2014年9月 第二次安倍内閣 総務大臣就任
2022年8月 内閣府特命大臣就任
2024年9月 自民党総裁選に出馬、敗れる
2025年10月 内閣総理大臣就任
と、ざっくりこんな感じなのですが、大切な節目の、総理のファッションを見てみると、とても興味深く。やはり、公の役割、伝えたいメッセージ、大切にしていること、その人自身の性質やキャラクターが、着こなしを含めた外見は、明らかに映し出すな、ということがわかります。

例えば、初登庁の際は、ベビーピンクのスーツに、くっきり眉、そして青みピンクの口紅。テレビのパーソナリティ時代の、「テレビ映え」「男性の出演者の中での女性の立ち位置」みたいなことを考えて、こうなったのかな、と推察できます。だって、「ベビー」ピンクですよ。ヘアスタイルやメイクも、まだ少しバブルのそれを引きずっています。あ、高市総理は1990年代、テレビのキャスターやコメンテーターを務めていたんです。

それが、2014年の初入閣の時には、完全にダークカラーに変わっていました。写真が古くてわかりませんが、黒に近い濃紺。背景に写る男性たちと、服装の色自体は変わりません。ただし、胸元はレースが施されたインナー、そして、スカートが膝上! メイクは、少し落ち着いた色味に変化していますが、ちょっぴり落ち着過ぎているようにも見えますね。

執務の椅子に座る別の写真は、口紅の色こそピンクですが、ピンストライプのジャケットをお召しです! ボトムスは見えていませんが、きっとスーツでしょう。インナーは、やはり一部レースのインナーで、9ミリくらいのパールのネックレスとイヤリングをされています。おそらくこれはアコヤ真珠の真円に近いパール。高市総理のパール使いはとても素敵で、お上手だな、そして慣れているな、と思っていたのですが、こうして見てみると、そう感じる理由は、少し長めだからかもしれません。冠婚葬祭にも使えるフォーマルなものだと、いわゆるプリンセス丈と言われる40cm前後なのですが、45cmくらいのものをお付けになっているように見えます。それが、良い意味でのゆるみと「抜け感」を生んでいるのかな、と勝手に思いました。
この頃、キャリアを必死で積み上げ、完全男系の社会で「ガラスの天井」に何度も頭をぶつけながら、がむしゃらに邁進していたのでしょうか。男性のダークスーツ(基本ネイビー、中庸と言われるグレーも、議場ではあまり見られません)にパーフェクトになじむ、溶け込む、混じる色を選んでいます。対して件の写真のピンストライプは、ごく細い縦のライン。一般的に細いピンストライプは、落ち着きや知性を与える、伝統的な柄として用いられますが、女性の間ではそこまでポピュラーではありません。そして間の広いストライプは、少しカジュアルな印象になるので、そのあたりはうまく「服の力」を活用し、オープンで親しみやすい性格を表現したのかもしれません。2024年以降の話は次回に。
※写真は出自がわかるものは記しますが、古いものはテレビの接写などの可能性もあります。すべてウェブからピックアップしました。
※一部の写真は、撮影時期と記載内容が前後している可能性があります。