Blog 大草直子の毎日AMARC

干場さん、hideya、櫻井くん。
「大人の男」のドレスアップ

少し前になるのですが、ブルガリホテルでの「イタリアワインとチーズのマリアージュ」という素敵なイベントにお招きいただきました。東京一、ということは日本一ラグジュアリーなブルガリホテルでの会。ドレスコードは、スマートドレスアップ。一番難しいやつです。しかも、レストランでも広いパーティ会場でもない、ロングテーブル。秋とは言え、外国の方が多い会、そして男性もいらっしゃる会は、「とにかく寒い」ことがほとんど。ジャケットを着る人基準になっていることが多いんです。

無類の寒がりゆえ、私自身も夏でも必ず羽織るものを持っていくことが多いのですが、こうした会だと、カーディガンはNG。フォーマルなアイテムではないため、ビジネスシーンでも、重要な場面では着ないですよね。だから、体温調整はジャケット一択なのですが、ジャケットだと堅すぎる時も。というわけで、私は高密度に織り立てた、コットンだけれども光沢のあるドレスシャツに、ラバンヌのレースのロングスカートにしました。女性はワンピースもある、スーツだって。スマートドレスアップがイメージしやすいのですが、男性は? ということで、席をご一緒した素敵な3人の着こなしをご紹介しますね。

まずは、『FORZA STYLE』編集長の干場義雅さん。イタリア、プーリアやその他さまざまなパーティでもご一緒していますが、本当にいつも素敵。隙がないパーフェクトな装いですが、どこかチャーミングで艶っぽいのが干場さん流だな、といつも思っていましたが。この会はネイビーのスーツ、白のシャツ、そして少し明るいブルーのタイというコーディネート。

極意を聞いてみたら「ブルガリホテル、そしてイタリアから来日される方々、ということで、イタリア人が好きなネイビーブルーの中でも、最高の生地を使ったスーツを着ました。生地はイタリア生地の中でも最高峰の“エルメネジルド ゼニア”社のもの。講演などで人前に立つ時も“上品さと静かなる主張”が感じられるよう、生地からお願いして作っていただきました(その時の動画がこちら)」なんと。生地から! そして、行く場所、会う人、どんなシーンなのかを、イメージした究極の「スマート(粋な、しゃれている様、賢い、洗練された)なドレスアップ」。

「白シャツに合わせた“マリネッラ”の8.5cmのシルクタイは、日焼けした肌がくすまないよう、スーツより一段明るい色を選んだ(ネクタイ選びの様子はこちら)」そう。ルールとストーリーが実はビハインドに隠されていて、それをことさらにアピールしないからこそ、印象に残るんでしょうね。

そしてアートディレクターのhideya。プライベートでも仲良くさせていただいていて、ディナーも旅もご一緒していますが、選ぶもの1つ1つがツボすぎて、同じものを買ったりしたこともあるほど。中学生でニューヨークに留学したり(歌のレッスンで!)、今もインターナショナルブランドのイベントなどのプランニング、ディレクションをしたり、と、なんというんだろう。様々な人や世界に触れているからか、とにかく「スタイルがある」。

この日の、何とも言えない柔らかなベージュのスーツは、オーダーだそう。自分の体型や好みに合わせて、3社にお願いしているのだそう。バッグは、ヴァレクストラのトリックトラック。このバッグは、ヴァレクストラの創業者ジョバンニ・フォンタナによってデザインされたアイコニックなバッグで、確かhideyaは3つ持っているはず! そして彼のスタイルで欠かせないのが、ジュエリー。リングやブレスレット、ネックレスなど、結構重ねる。自身がディレクションを務めるYONとカルティエがほとんどだそう。さすが、こなれてますよね。

そして、モデルの櫻井貴史くん。仕事で数えきれないほどのタキシードやスーツを着ている彼が、この日選んだのは、渋いブラウンのスーツ。かなりハードに鍛えている櫻井君の輪郭に、少し柔らかくなじむような素材が印象的でした。広い肩幅や、均整の取れた体型だからこそ、のチョイスだなあ、と。そしてインナーはネックラインの詰まった黒の超ハイゲージニット。Tシャツではなく、ニットを選ぶところがさすが! そして素足に手入れの行き届いたレザーのシューズ。

と、3人3様でしたが、それぞれにルールがあって、とてもとても印象的でした。