Blog 大草直子の毎日AMARC

イタリアの靴は、なんでこんなにきれいなのか

ヘンダーソン、としたのは、国際的に通用する名前にしたかったから、とのこと。

イタリアに来て、6日目。早いなあ。旅程も、いよいよ後半戦に差し掛かります。世界最大級の靴の展示会「ミカム」があったミラノから、ヴェネト州に入り、「リビエラ・デル・ブレンタ」のシューズ産業クラスターを見学。ラグジュアリーメンズシューズを中心に手がける、ヘンダーソンの工場、そして横のアウトレットショップからスタートし、「アントニオ・バルバート」の工場、さらには、フィービー・ファイロほか、錚々たるブランドのショウピースの靴も手がける「HIM」の会社も訪問し、様々なお話を伺いました。

「神の手」を持つ、と紹介されたアルチザン。モカシンの革を縫い合わせていく。
とにかく工場内がきれい。終業時間には、それぞれ掃き掃除をして帰宅されていました。

この地域は、元々貴族の避暑地として人気で、彼らに帯同してきた靴職人たちが、靴産業が始まり、発展するきっかけになったそう。その後、第二次世界大戦後、どうやって、地域復興をしようかと考えたときに、それが靴だった、ということです。トッズやサントーニがあるマルケ州も、靴作りでは有名なのですが、ここ「リビエラ・デル・ブレンタ」には、靴にまつわる全てがあり、今なお、企画から素材調達、そしてほか、ヒールなどの細かな資材、フィニッシュに至るまで、一気通貫手がける会社も多いんです。さらに、靴作りを、この地の財産として、次世代の育成や、プロとして活躍する職人がスキルアップするための授業、職業訓練までしてくれる、学校まであるんです。地元企業、行政が入り、しっかりと財産を増やし、そして継いでいくシステムがある。そのことが、イタリアの他の地域とは違うんですね。

これは、とあるトップメゾンの靴を作っている過程。手に頼る部分とハイテクを融合させていたのが印象的。
靴の裏ってこんな感じなんです。トゥの部分のシャーリングは、いかに革が柔らかいかを表しています。
こうした立体的な木型に線を引き、実際に革を貼って試してから、デザイン画に落としていくのだそう。
工場の入り口。今、バルバート3兄妹でビジネスを運営しているそう。

作る靴は98%ウィメンズ。そして、ある時から、オリジナルブランドより、フランスやイタリア、世界のラグジュアリーブランドの靴を作る役割に徹することに、大きく舵を切り、更に産業として大きくしてきた、とのこと。手作業の確かさと最先端テクノロジー、その両軸をもっている豊かさと、靴作りに賭ける情熱を、間近に感じ、自宅のシューズクローゼットにあるイタリアンシューズをもっと大切にしよう、と誓いました♡

ちなみに、ヘンダーソンで買った3足は、「THE ヘンダーソン」のレザースニーカー、イントレチャートスリッパ、そしてムートンブーツ(笑)。

過去のコレクションなので見せて頂きましたが、ランバンのコレクションピース。こうして、ざっくりしたイメージ画が送られてきて、それを実際の靴に仕上げていく。
彼も、立体的な木型に紙を貼って、そこから、服の型紙のようにカットしていく作業をしています。
私も持っている、プロエンザ・スクーラーのサンプルが! 2万足を超えるアーカイブサンプルを、すべてデジタルに落としているのだそう。
こちらも工場内は自然光が入り、とてもクリーン。
靴だけでなく、服やバッグを作る授業も。学生向けの、夏休みのプログラムもあるのだそう。
床に工具を置いて作業ができるよう、椅子が低いのだそう。干場さんが、実際にエプロンをつけて実演!?