12月のキーアイテム by大草直子

朝、クローゼットの前で「今日は何を着よう？」と迷う瞬間。そんな時間が少しでも軽く、楽しくなるように──。
「スタイリング手帖」では、月替わりの“キーアイテム”から、着こなしのヒントを丁寧に紡いでいきます。

12月も偶数日に更新予定。冬のおしゃれの参考にしていただけたら嬉しいです。

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10月からスタートした「スタイリング手帖」。この２か月で、特に人気が高かったのが“デニムスタイル”。そこで、12月の「スタイリング手帖」は、デニムを軸に展開します。カシミヤの柔らかさ、ウールの立体感、レザーのクールな表情、そしてホリデーシーズンならではのきらめき──。ひとくちにデニムスタイルといっても、組み合わせるアイテムや素材次第で、装いは驚くほど豊かな表情を見せてくれます。

冷たい空気が街を包み、気持ちまで浮き立つ12月。そんな季節に寄り添いながら、デニムを“冬の主役”として楽しむための、8つのキーアイテムからご紹介します。

【A】upper hightsの
ベージュデニム

淡いベージュのニュアンスが、冬の装いに抜けを添えてくれる一本。〈upper hights（アッパーハイツ）〉らしい洗練された色だしと絶妙な加工感が、カジュアルなデニムの印象をぐっと大人に引き上げます。ほど良いワイドシルエットで、厚手のニットとも好相性。

【B】RED CARD TOKYOの
ブラックデニム

〈RED CARD TOKYO（レッドカード トーキョー）〉ならではの、しなやかなはき心地が魅力のブラックデニム。ヒップラインをすっきり見せる適度なホールド感があり、まっすぐ縦に落ちるシルエットは美脚効果も。リアルヴィンテージのようなウォッシュ加工が施されているので、黒でも重くなり過ぎないのも◎。

【C】LEVI’S®の
ブルーデニム

10年以上前、海外のヴィンテージショップで大草が手に入れた〈LEVI’S®︎（リーバイス®︎）〉の一本。ストレッチのないコットン特有のドライな風合いがヴィンテージらしい存在感を放ち、明るいサマリーブルーがスタイリングを軽やかにします。細身のシルエットとボタンフライのクラシックなディテールが、今の気分にもフィット。

【D】MADISONBLUEの
デニムスカート

パネル接ぎのデザインから静かなこだわりを感じるデニムスカート。色の濃淡が加工で繊細に表現され、ミニマルな中にも奥行きがあります。さらに、カットオフのラフなエッジが、さりげない動きを演出。ゆるやかに広がるシルエットで、ボリュームニットやロングブーツとも相性抜群。

【E】1er Arrondissement の
ガウンコート

ふっくらとした二重織のウールが、身体をやさしく包み込むガウンコート。大きくしなやかなショールカラーが顔まわりに品を添え、柔らかな起毛が冬の空気をふんわりと受け止めます。軽さとあたたかさを両立した一枚は、デニムのカジュアルさに上質なムードを重ね、スタイリングをクラスアップしてくれます。

【F】NO.bの
ウールジャケット

端正なピークトラペルに、やや長めの着丈。そのバランスがモードで品のある重心をつくる、〈NO.b（ナンバービー）〉のウールジャケット。適度にハリのあるウール生地が描く立体的なラインは、デニムに＋１するだけで、印象を引き締め、スタイリングに芯を宿してくれます。

【G】Chaosの
ニット

空気を含んだような柔らかさと、ざっくりとしたボリューム感が魅力のタートルネックニット。立ち上がるネックと太めのリブが立体感を生み、墨を一滴落としたかのような深い赤が冬の装いにあたたかな深みを添えます。一点投入で、冬のカジュアルをアップデートしてくれます。

【H】ATONの
レザーバッグ

ヌバックレザーを贅沢に使った、〈ATON（エイトン）〉のショルダーバッグ。マットでしっとりとした革の質感と、直線的な横長のフォルムが、着こなしにシャープなアクセントを加えてくれます。深みのあるダークブラウンが、黒より軽く、ベージュより締まる、絶妙なバランスでスタイリングに馴染みます。

いかがでしたか？ 8つのキーアイテムが映し出すのは、デニムが冬の景色の中で見せる新しい表情。12月4日（木）からは、それぞれのアイテムを軸にしたスタイリングを順次お届けします。季節の深まりとともに、おしゃれの可能性も広がりますように。

※本ページに掲載している価格は、すべて税込みになります。

※ショップリストはこちらから

Photos ／Takehiro Uochi（TENT)
Styling ／Naoko Okusa
Edit & Text／Ayako Suzuki