Fashion信じるおしゃれ
家は、暮らしの拠点になる場所。家の中には、食べる場所、眠る場所、くつろぐ場所など、さまざまな「場所 = コーナー」があり、それぞれのお気に入りのコーナーには、その人の暮らし方やスタイルが透けて見えます。そこで、今回は、年齢もバックグラウンドも異なる8名のパリジェンヌをフィーチャー。それぞれの自宅のお気に入りのコーナーをリレー方式でお届けします。
リビングとキッチンはガラスのパーテーションで光を取り入れるようにリノベーションしました。リビングにいる家族や友人ともお料理しながら会話ができるのが便利です。
壁一面の棚には、食器や調理道具が取り出しやすいように使用頻度の高いものを目の高さに並べています。食器が大好きなので、旅先では必ず現地のものを買います。モロッコの伝統工芸の美しい柄が特徴のフェズ焼きや、マラケシュで焼かれる深い緑色のタムグルート焼き、インドや中国のアンティーク皿など多様なコレクション。そこにフランスアンティークの白い陶器を合わせてセットしても不思議と馴染むんです。好きなものを少しづつ集めていたら、自分らしいエスニックな世界観が食卓にも生まれました。
この机は、パリ9区のブロカント(古物市)で出会って一目惚れしたもの。ペンキの剥げや天板の歪みなども味わいで、時とともに変化する表情を楽しんでいます。ヴィンテージの「ハリー・ベルトイア」の椅子に座って、書きものをして過ごすことが多いですね。日記だったり、旅先で見つけた素敵なお店やおいしいレストランを書き留めたり…….。ポストカードやアート展のパンフレットはまとめてブックスタンドに。ドイツ製のレトロな鉛筆削りやカラフルなペン立てなど、どことなく学生机みたいな生真面目さが好きなんです。長女が描いた花のデッサンや、壁に飾ったモロッコのアンティークビーズのネックレス、ガラス器に飾った植物など、好きなモノがリズミカルに並ぶ、お気に入りのコーナーです。
基本は落ち着きのある白の空間が好みですが、サロンは一面だけ柔らかなサックスブルーに塗りました。一画だけ壁の色を変えることで、奥行きのある表情が生まれます。主役のソファは座り心地で選んだ「カラヴァン」のオリジナル。白いソファの上には、手作りのパッチワークのクッションを配してアクセントにしました。モロッコから持ち帰ったラグや、パリで人気のデザインショップ「セントゥ・ギャラリー」で買った木のローテーブル、そして長女が子供の時に描いた絵などを自由にレイアウト。趣の異なる家具やオブジェを組み合わせて、オリジナルの折衷様式を楽しんでいます。
いかがでしたか? ワークスペースも、サロンもダイニングも、シャンタルさんご自身の「好き」が軸にあるので、いろいろなテイストがミックスされていても、統一感と「らしさ」のある空間になっていましたね。さて、次回は、20代の若手アーティストの家をご紹介。7月24日(金)にUP予定です。お楽しみに!
Profile
Chantal LECLERC-GARNIER
(シャンタル・ルクレーク=ガルニエール)
『旅』をテーマに、エスニックテイストにフランスらしい洗練さをミックスした、パリ発のインテリアブランド「Caravan(カラヴァン)」のマネージャー。インドやモロッコをはじめ世界各地のアーティザナルな職人技がひかる家具や雑貨が揃う。