Fashion信じるおしゃれ
インテリアのリレー連載。年齢もバックグラウンドも異なる8名のパリジェンヌをフィーチャーし、それぞれの自宅のお気に入りのコーナーをお届けします。3人目のご自宅は、なんと服の縫製工場をリノベーションしたもの。リビングとダイニングキッチン、そして主寝室を案内してくれました。
ここは、19世紀の終わり頃から服の縫製工場として使われていた建物で、4年前の引っ越し時にはまだミシンなど機械も置きっぱなしの状態でした。全部で240平米あるフロアは7つの部屋に分かれていましたが、壁を壊してアトリエを兼ねたリビングとダイニングキッチン、そして主寝室と子供部屋にリノベーションしました。
ショールームみたいな冷たい印象にならないように、リビングの壁一面に格子状のネットを取り付けて、そこに古い本から選んだ好きなページやポストカード、観葉植物を飾って、ポップでカラフルなアクセントにしました。紙だから木のクリップで留めるだけの簡単アレンジ。大作でなくても手軽なアートコーナーができるので、このアイデアはすごく気に入っています。
南仏出身の私にとって、乾いた木の質感、光の入る室内、そして植物のグリーンが子供の頃から馴染んだインテリアです。だからリビングも白を中心にウッドと緑でアクセントをつけました。ハビタのソファの上にくすんだブルーの麻のクッションや、昔の扉に使われていた木のドアを天板にしたローテーブル、日差しを柔らかく通す繊細なリネンのカーテンなどで、田舎風なインテリアにまとめました。都会で暮らしていても自然を身近に感じたい!そんな思いが詰まっています。
気がつくと家族が自然に集まってくるのが、このキッチンカウンター。我が家に集う友人たちもまずはここでおしゃべりしながら、アペロをスタート! それが定番になっています。
アトリエ時代の名残の梁を生かして、囲むようにカウンターテーブルを作りました。硬質なセメントの天板と年代を感じる梁のコントラストがユニークです。バーのスツールは建築家の友人にオーダーしたオリジナル。近頃は子供たちも大きくなって、やっとこの椅子によじ登れるようになってきました、笑。
寝室は他の部屋と同様に白をベースにしていますが、アクセントカラーにライトグレーとマスタードを配して、落ち着いた雰囲気に仕上げました。ベッドリネンはパリのセレクトショップ「メルシー」で買ったもの。ポンポン付きのベッドカバーは南仏のインテリアショップで見つけました。夜眠りにつく直前と、朝起きた時の天窓から眺める空が最高のインテリア。毎日の天気や季節の移り変わりを視覚で感じて、毎日癒されています。
南仏を彷彿させる、爽やかな光と色遣いが素敵でしたね。サロンにキッチン、そして寝室と3つのエリアを紹介してくれましたが、いずれの部屋も、白をベースにしながら、アクセントカラーをブルーグリーンやマスタードイエローに統一されているところも印象的でした。続く4人目は、ロフト建築のアパルトマンに住むパリジェンヌ 。7月31日(金)にUP予定です。
Profile
Colombine de Forville
(コロンビーヌ・ドゥ・フォルヴィル)
若手クリエーターの育成も兼ねて5年前に立ち上げた、子供向けの絵本やポストカード、インテリアファブリック、雑貨などに使うイラストのエージェント「Les Petits Collectionneurs(レ・プティ・コレクショヌール)」のファウンダー兼ディレクター。
@lespetitscollectionneurs
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