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【人生はコーナーに表れる】家具も配色も、甘×辛のコントラストを効かせて

インテリアのリレー連載。年齢もバックグラウンドも異なる8名のパリジェンヌをフィーチャーし、それぞれの自宅のお気に入りのコーナーをお届けします。今回は、人気のマレ地区に近い11区に住む、30代のパリジェンヌのご自宅。甘×辛のコントラストをつけた、家具選びやディスプレイは必見です。

フェミニンが香る、
ヴィンテージモダンなインテリア

9年前に引っ越してきた頃には想像もできなかったけれど、ここ数年でおしゃれなカフェやセンスのいい店が増えて、この辺りは憧れのエリアとして注目されるようになりました。

ロフト建築のアパルトマンで一階がリビングダイニング、2階が寝室とバスルームです。インテリアは、やわらかな曲線フォルムのナポレオンIII世様式のアンティークとミッドセンチュリーをミックスするのが好み。そして室内のあちこちにグリーンや切り花、ドライフラワーでフェミニンな香りを添えます。モードと同じで、インテリアも適度な甘×辛のコントラストを効かせるのが、マイスタイルです。

天井が高いロフトだから叶う、
コンフォートなレイアウト

トータルで54平米とコンパクトながら、ロフト式で天井が高いので、実際より広々と見えます。中2階、2階と変形した造りなので目につかない場所に収納ができるもの便利。丸いガラステーブルはハビタ・ヴィンテージで、70年代の構築的なフォルムが気に入って購入しました。椅子は白いベルトイヤや、スカンジナビアのヴィンテージチェアなど、あえてバラバラのデザインでレイアウト。落ち着きのあるカーキにペイントした壁の色と飴色の梁、そして黒い階段などが全体のトーンを引き締めて、甘くなりすぎずシャープな印象にまとめました。

マレ地区で年に2回開催するブロカント(古物市)で買ったソファ。その上に飾った写真は親友でインフルエンサーでもある写真家、アドリーヌ・メからプレゼントされたもの。

布がかかっているのはヴィンテージのソファ。この家に引越して一番最初に買ったものです。パリ郊外のヴィンテージショップで見つけたのですが、ベルベット素材なので、夏の間はコットンの布をかけて使用しています。ガラスのローテーブルは、今年初めにオンラインショップの「Le Bon Coin(ルボンコアン)」で買ったもの。60年代に活躍したフランス人家具デザイナー、ウーグ・ポワニャン作です。ミラーも偶然60年代だし、テーブルに飾った羽根の飾りもまるでボンドガールの部屋みたいで気に入ってます(笑)。これからは少しづつインテリアにミッドセンチュリーデザインを増やしていく予定。レトロモダンなテイストを取り入れたいんです。

器にカルトナージュにドライフラワー。
好きな色を散りばめたディスプレイ

旅先で出会ったら必ず買ってしまうのが、器。モロッコ、トルコ、北欧、イタリアなど滞在先の雑貨屋さんやヴィンテージショップをマメにチェックします。どちらかというと磁器よりもぽってりと温かみのある陶器のファン。土の柔らかさが伝わってくる手に持った時の感触が好きなんです。マグカップだったり、花器だったり、ボウルだったり。形も大きさもいろいろですが、基本的にモノトーンや渋い色の無地が多いですね。一番下の水玉のカップは陶芸家の妹の作品。壁に飾り棚を取り付けて、コレクションしている陶器を並べています。「ロリータ」のフランス語版とガラス器のドライフラワーでフェミニニティを添えました。

ベッド横のサイドテーブルは祖母が描いた絵を主役に、60年代の照明とバナナの花を。脳の疲れを緩和する効果のあるアメジストや、心を癒すスモーキークォーツなど天然石を毎晩のお守りに。
パリの剥製専門店「Deyrolle(デロール)」や、ブロカント(古物市)で集めた蝶の剥製。右上のクラゲのブローチはフランスの刺繍アクセサリーブランド「Macon&Lesquoy(マコン&レスコワ)」の作品。
 

花が好きで、生花を欠かさず飾っていますが、スモーキーな色のドライフラワーも大好き。部屋の至るところにディスプレイしています。花器は、ガラスに陶器にとさまざま。蚤の市で購入したり、お気に入りのセレクトショップで購入したり、旅先で購入したりしています。

最近は携帯がメインだけれど、家の固定電話は70年代ヴィンテージを愛用中。蚤の市の花器にドライフラワーを飾って。
アンヌ・ドニオーやパトリック・デマルシェリエのモノクロの写真集や、現代画家のエリザベス・ペイトンの画集などジャンルを問わず好きな作家の本はいつでも手に取りやすくまとめて。ドライフラワーと、好きな香りのキャンドルとともにレイアウト。
数年前にグラン・パレで開催されたヘルムート・ニュートン展で購入した写真集と、エキゾティックなドライフラワーのワンコーナー。

フランス伝統工芸として知られる厚紙に布を貼る”カルトナージュ”が好きで、子供の頃から少しずつコレクションしています。「好き」が高じて手作り作品も増え、今では膨大な数に。アクセサリーや銀行関係の書類など細々したものの収納に活用しています。


いかがでしたか? アンヌさんの審美眼を通して選ばれた家具やディスプレイには、彼女のファッション感や暮らし方、生き方までを写しているようでしたね。次回はインテリアスタイリストのご自宅をご紹介。8月4日(火)にUP予定です。


Profile

Anne-victoire Le Fevre
(アンヌ=ヴィクトワール・ル フェーヴル)

日本でも人気のシューズブランド、「Michel Vivien(ミシェル・ヴィヴィアン)」のコマーシャルディレクター。同時にフランスの若手メゾンとして注目される「Maison Cleo(メゾン・クレオ)」のミューズとしても活躍するインフルエンサー。
@vikilefevre

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