Fashion信じるおしゃれ
インテリアのリレー連載。年齢もバックグラウンドも異なる8名のパリジェンヌをフィーチャーし、それぞれのご自宅のお気に入りのコーナーをお届けします。7人目は、初めての一人暮らしをスタートさせたばかりというゾエさん。その「配色の妙」に目を奪われる空間には、彼女のこだわりが詰まっていました。
このアパルトマンには今年の3月に越してきたばかり。それまではママの家で弟と家族3人で暮らしていたから、私にとって記念すべき初の一人暮らしです。インテリアはまだパーフェクトではなくて、寝室にはラグを敷きたいし、リビングのカーテンも付け替えたい。ささやかなことだけれど、ディティールって部屋の印象を決める大切なポイントだと思うので。
ずっとヴィンテージファッションが好きで、わたしのクローゼットの100%はヴィンテージ。その影響で、室内装飾も古いモノが好きなんです。カラフルで独特な色使いや、味わいのある家具とオブジェをミックスして、私らしいオリジナルな空間を作る予定よ。
引っ越し直後にパリがロックダウンに入ったので、8週間の自宅待機期間中はペンキを塗ったり、棚を設置したりと毎日家を整える作業に明け暮れていました。インテリアのテーマは、「エキゾティック・ヴィンテージ」。ミッドセンチュリーとコロニアルスタイルをミックスしています。
オンラインショップ「Menzzo(メンツォ)」で見つけたソファに、ガラスのローテーブル。肘掛けのあるひとりがけの椅子は「leboncoin(ル ボン コワン)」というオンラインストアのもの。3点とも70年代のヴィンテージです。そこにコロニアル調の絵画やラグを合わせてリズミカルにレイアウト。フォレストグリーン、ブラウン、マスタードカラーといったエキゾティックな配色で、異国情緒漂うリラクシングなムードに仕上げました。
寝室のインテリアで一番こだわったのは、色のハーモニー。温かみがあって、心地いい部屋にしたかったから、メインカラーは大好きなテラコッタをチョイス。そこにアンティークゴールドやショコラをコーディネートしました。ベッドリネンは、麻、コットン、ベルベッドの異素材ミックスだけれど、トーンを揃えて統一感を出したわ。「フォーマイカ」のヘアドレッサーの上のティアラは、インドネシアの結婚式で花嫁がつける伝統的な冠。繊細な手仕事が美しくてお気に入りのオブジェよ。
リビングからキッチンに通じる廊下の一画がアトリエスペース。子供の頃から絵を描くのが大好きだったけれど、飽きっぽい性格だから、一つの作品を最後まで完成させたことがなくて(笑)。でも、去年の9月に久しぶりに再開したら、楽しくなって、今は油絵に挑戦しています。ロックダウン中は、家のペンキ塗りのほかにキャンバスに向かってこの絵を描き続けていました。完成したら、アンティークのフレームに飾るつもり。シンプルなウッドのダークブラウンの額に収めようと決めてい るの。
いかがでしたか? 初めての一人暮らしとは思えないほど、彼女の世界観が色濃く反映された、素敵な住まいでしたね。リビングも寝室も、彼女のいうパーフェクトな空間が完成したら、またのぞかせて欲しいですね♡ さて、次回は、70代のマダムが住むミュージアムのようなご自宅をご紹介します。8月11日(火)にUP予定なので、お楽しみに。
Profile
Zoé HOTUQUI
(ゾエ・オチュキ)
パリ生まれ。パリの服飾専門高等学校「マリー・ローランサン」でクチュリエパターンを専攻。その後、メークアップ・アカデミー専門学校でメイクを学ぶ。卒業後はヴィンテージショップで経験を積みながら、ヴィンテージバイヤーとしてキャリアをスタート。現在は、仕事と平行して自身のショップを立ち上 げるために準備中。
@zoehtq
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