Fashion信じるおしゃれ
パリのストーリーも、今回が最終回。パリの女は、年齢を重ねるほどに魅力や、美しささえも重ねていく。そんなふうに言われるのは、どうしてだろう――と考えた時。メイクやファッション。ナチュラルなように見えて、実は細かな計算をしているところや。ディナーを思いっきり楽しむために、朝食やランチは「鳥のごはん」並みにライトだったり。友達であろうが、パートナーであろうが。同僚とだって、話し込むのが好きなくせに、孤独を同じくらい愛していたり。生き方や髪型、メイクや住むことも。全てに「参考」や「お手本」がないことは、大きく関係するのではないかと思い至る。全てが自分オリジナルだからこそ、そのTIPSを1年1年重ねていくことは、美しさや魅力を重ねていくことになりうるのだ。
この時期の楽しみ。全く異なる素材をミックスして、その異なる肌触りや、風になびく感覚を経験する。例えば、シルクとカシミヤ。湿度があり、素肌にとろりと落ちるようなシルクは、女性性を引き出してくれるし。カシミヤは究極の自己肯定。まるで自分を抱きしめているような、「認める」「愛する」という肯定的な感情を揺り動かす。その2つを合わせられる、1年のうちのショートタイム。そう、宝物のようなタイミング。
深い赤、フレッシュな赤。決して前者と後者に隔たりがあるわけではなく、どちらも違って、どちらも美しい。ならば、一緒に楽しんでしまえば、さらに違って、さらに美しいはず。同じ色のグラデーションは、例えばベージュなんて場合はナイーブで、時に、こんなふうにダイナミック。厚手のニット、羽根のように軽いパンツ。素材の緩急をつけると、全身で見た時にきれい。
Photograph/Yukari Isa
Model/Francine Jacob
Hair&Make-up/Go Miyuki
Shooting Coordinate/Hiroko Suzuki
Direction , Styling & Text/Naoko Okusa
※本ページに掲載している価格はすべて税別になります。
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