Fashion信じるおしゃれ
街で映える女性、そんな彼女を追ったストーリー、2回目。雑然としていて、それでいて無色の街で視線を奪われるのは、「スタイルがある女性」。スタイリッシュな、や、スタイルが良い――ではなく、素材合わせやカラリング、アイテム選びに、その人の矜持が感じられる、ということ。服は、その人の人生そのもの。人生は、その道のりを生きたその人だけのものであるように、おしゃれも彼女だけのもの。そんなふうに、おしゃれと着る人が、ぴたっと重なっている。目指すのはそこ。
「おしゃれな人」を「おしゃれ」たらしめるのは、時に自由さだったりする。例えば、ラウンジ用のシルクのガウンを、銀座の街で着てしまう。もしくは、その色のインパクトだけで着たいピンクに、グリーンをぶつけてしまう。指先にだって、今日の気持ちに正直に選んだパワフルな色をいくつも重ねたり。きっと、この人は、美しい朝焼けをいくつも経験し、まるで人魚のように海の底に潜り。いくつも恋をして、たくさん泣いてきたんだろうな――と、その人のおしゃれは教えてくれる。「おしゃれになりたいのなら」、旅をして自然の中に分け入り、人を心から好きになって。精神と肉体の自由を手に入れよう。
ボーダーを「Tin Tin」のように着るのは、30代までかな、と思っている。子供の頃から着ているものだからこそ、年代年代で、その着こなしは変わっていくべき。服は自分の内面や経験を包むものだからこそ、「同じ」なんてないはずなのだ。今の気分は、うんとドラマティックに。例えば、羽根のように幾重にも重ねたシルクを、なんてことはない風情で着てしまえたら。「あのときは」とか、「時計の針を戻したい」なんてことを考える、無駄な時間を手放せる。もちろん、華奢なパンプスでも良いのだけれど、今の気分はスニーカー。ボーダーにシルクのスカートに、最新のスニーカー。この選択肢が「今の私」。
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