ちょっとお茶でもいかが？

「ちょっとお茶しませんか？」は世界共通のコミュニケーション。お茶を飲むこと自体は、目的とも言えないし、何かの手段でもない。でも目の前にあるお茶を囲むことで、大切なことが話せたり、沈黙もそのまま味わえたり。まことにお茶は、不思議です。
「喫茶去（きっさこ＝お茶をおあがりなさい）」という、言葉にまつわる禅問答があります。禅師が「かつてここに来たことがあるか」と尋ねると、初めてお寺に来た修行僧は「ありません」と答え、禅師は「喫茶去」とお茶を勧めました。同様に他の修行僧に尋ねると、「あります」と答え、禅師は「喫茶去」とお茶を勧めました。そばにいた院主が「初めての者にも、かつて来た者にも、同じくお茶を勧めるのはなぜですか？」と聞くと、禅師は「院主さん！」と呼び、「はい！」と答えた院主に「喫茶去」とお茶を勧めました。さて、このお話をどう読むか。　まぁ、あまり難しく考えず、お茶でもいかが？

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