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火宅

先日、スウェーデンの環境活動家で16歳のグレタ・トゥンベリさんが、 今年9月にニューヨークで開かれた国連気候行動サミットに出席し、地球温暖化に本気で取り組んでいない大人たちに対する怒りのスピーチを展開したことが、ニュースとなりました。このニュースを見て、私は「火宅」というたとえ話を思い出しました。

老人と子供たちが一緒に暮らす家が、火事になりました。家の中で無邪気に遊んでいる子供たちに、老人は叫びます。「火事だ! 早く逃げなさい!」 しかし、遊びに夢中の子供たちは、言うことを聞きません。 そこで老人は、「大好きな珍しいおもちゃをあげるから、家の中から早く出てきなさい」と言うと、釣られた子供たちは燃え盛る家から飛び出し、火事の難を逃れることができました。

老人のウソは、目的のために仮に用いた方便でした。このたとえ話から、「ウソも方便」ということわざが生まれたそうです。気候変動問題はまさに「火宅」の様相を呈していますが、老人が子供に呼びかけるのではなく、若者が大人に呼びかける構図が、余計に深刻です。私たち一人一人の生き方を変えるべき時が来ていますね。


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