Life style今日も一日おつかれさま
世界は恋人、世界はわたし。
1929年生まれの米国人、ジョアンナ・メイシーの言葉です。メイシーは、牧師だった祖父の影響を受けて思春期にはキリスト教の聖職者を目指しましたが、その後、政治や社会運動への関心を強め、1960年には家族ぐるみでインドに暮らし、そこで亡命チベット人たちと仏教に出会いました。帰国後は仏教研究に打ち込み、スリランカのサルボダヤ運動の調査や、核戦争の心理的脅威に対処する新しいアプローチを提言するなど、市民運動や自己開発運動に関わるようになりました。
メイシーは、人間だけを特別扱いせず、あらゆる生命を平等に見る視点から、一人一人の世界観や価値観を変革して、環境問題の解決につなげようとしました。環境保護は究極的に、人間一人一人の覚醒が必要であると言うそのメッセージは、現在まで続く地球規模の環境保護運動に大きな影響を与えています。
メイシーは、三段階の世界観を示し、
・戦場としての世界(奪い合う弱肉強食の世界観)
・罠としての世界(超越的世界を想定し、それを上位に扱う世界観)
・恋人としての世界(すべての命のつながりを大切にする世界観)
と表現しました。
「ブッダが教えたのはエゴからの脱却であって、世界からの脱却ではない」というメイシーの言葉は、日々の暮らしの中で環境を意識して暮らす、私たちの指針の一つになるかと思います。
Profile