恨みは恨みによって鎮まらない。恨みを忘れてはじめて恨みは鎮まる。

私たちにはできれば抱きたくない感情が色々ありますが、その中でも「恨み」はその代表かもしれません。相手から受けたひどいこと、辛いことのショックが大きければ大きいほど、恨みも大きくなります。

しかし、恨みというのは、恨みの対象となっている相手に向けて抱く者ですから、恨みが大きければ大きいほど、まさに恨んでいる相手のことを「思い続けて」いることになってしまうのです。

恨みの連鎖を断ち切る唯一の方法は、相手に対する恨みを忘れること。
もちろん、言うは易しで、行うは難し。だからこそ、まずは恨みのメカニズムに気づくこと。そこから、連鎖の好転が始まります。

Profile

松本紹圭
東京神谷町・光明寺の僧侶。
東京大学を卒業後、僧侶になり、その後、インドでMBAを取得するといった、異色の経歴を持つ。最新刊『こころを磨くSOJIの習慣』（ディスカバートゥエンティワン）ほか、著書も多数。
朝、お寺に集まり、お経を読み、境内を掃除し、対話をする”テンプルモーニング”も人気。開催日の詳細はツイッター（@shoukeim）にてチェックを。