Life style今日も一日おつかれさま

張りすぎず、緩みすぎず

仏教には「琴の喩(たと)え」という説話があります。お釈迦様の弟子のシュローナは身体が弱く、足から血を流すほどの修行を人一倍続けてもさとりを得られないことに悩み、ついに修行を諦めようとしました。

それを知ったお釈迦様は、かつて琴の名手だったシュローナに「琴の弦は張りすぎてもゆるすぎても良い音が出ない」と説き、行き過ぎた努力や怠惰に走ることを諫め、バランスの取れた努力をすることをすすめました。シュローナはその後、教えを守り、さとりを得ることができました。

張りすぎず、緩みすぎず。極端に走らず歩んでいくこと。これは私達の心にも、生活にも当てはまりそうですね。


Profile

木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。