Life style今日も一日おつかれさま

災難をのがれる妙法

子どもを可愛がったお坊さんとして知られる良寛さん。震災で家族を亡くした親友への手紙に、お見舞いの気持ちとともに、こんな言葉を書きました。

災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
死ぬる時節には死ぬがよく候
是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候
かしこ

災難に逢うときは災難に遭い、死ぬときには死ぬしかない。私たちがどんなに手を尽くしても変えられないのなら、それを受け入れて生きるしかないという意味の言葉です。

一見、厳しい言葉に見えますが、誰にも避けることのできない生老病死の苦に向き合う道を説く、良寛さんの優しさが滲み出ていると思いませんか?



Profile

松本紹圭
東京神谷町・光明寺の僧侶。
東京大学を卒業後、僧侶になり、その後、インドでMBAを取得するといった、異色の経歴を持つ。最新刊『こころを磨くSOJIの習慣』(ディスカバートゥエンティワン)ほか、著書も多数。
朝、お寺に集まり、お経を読み、境内を掃除し、対話をする”テンプルモーニング”も人気。開催日の詳細はツイッター(@shoukeim)にてチェックを。