Life style今日も一日おつかれさま

外に向かって踏み出す一歩は、絶対に無駄じゃない

「内気(ないげ)の風気(ふうけ)纔(わず)かに発(おこ)って必ず響く」(空海『声字実相義』)

「自身の出入息と外界の風気とが接触する気配が少しでも起こると、必ず響きを伴う」(松長有慶『訳注 声字実相義』より)

自分の呼吸音を聞く余裕もなかったことに気づかせてくれる、静かな一節。最近、大切にしています。

実は好きな理由がもう1つ。拡大解釈は、筆者の望むところではないのだろうと思いつつも―― 「外に向かって踏み出す一歩は、絶対に無駄にはならないよ」という強烈な励ましのように、ついつい感じてしまうのです。


Profile

玉置真依
(たまき しんえ)
北海道余市郡仁木町・仁玄寺の副住職。京都大学大学院教育学研究科の修士課程を修了したアラサー女子。宗派の垣根を超えた僧侶の自主研修会「てらつな」立ち上げメンバー。プライベートでは、“大切な人と死別した子ども”を支える市民団体「グリーフサポートSaChi」のスタッフも勤める。趣味は、御朱印集め。仁玄寺ホームページはこちらから(お参りの記録共有サイト「ホトカミ」内)