秋の声

お寺の墓地には大きな木が生えています。今の時期、昼のお寺に蝉の合唱が響き、夕方からは虫の声がするようになります。

虫の鳴き声を好ましく思うのは日本の大切な文化であり、その声を聞いていると、たとえ暑い夜でも「秋だなあ」という感じがするものです。

お墓に参る人も、お墓で眠るご先祖さまも、この虫の声を聞いているのかなと時々思います。

今は秋のお彼岸。お墓参りの季節です。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。