Life style今日も一日おつかれさま
秋の和菓子を作ることになり、月と兎に題材を取ることにしました。
昔から「月には兎がいる」と言われていますが、この話は仏教の説話がルーツとなっています。
仏教の修行をしている動物たちが食べ物を求める老人と出会います。動物たちはそれぞれの特徴を活かして食物を差し出しますが、与えるものを持たない兎は火を焚かせ、自分の身を焼いて食べるように言い残して火の中に飛び込みます。
そのとき老人は仏教を守る「帝釈天」という神様に姿を変え、火の中に飛び込んだ兎の善行をたたえ、その姿を月面に写して地上の誰もが見られるようにしたということです。
説話の兎に思いを馳せながら、さつまいもと寒天で和菓子を作りました。
Profile
木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。