私達には必ずできることがある

『蔵宝蔵経（ぞうほうぞうきょう）』というお経には「無財の七施（むざいのしちせ）」という言葉があります。お金や特別な知識を持たずとも、こだわりを離れ、他者を思ってできる七つの行いです。

具体的には、
・あたたかいまなざしを向けること
・微笑みかけること
・思いやりの言葉をかけること
・和やかな表情で接すること
・自分の身体を動かすこと
・心を配ること
・雨風をしのぐ場などを提供すること
・席などを譲ること
です。

私たちは日々を生きる中で無力感にとらわれることがあります。そんなときにも、私達の心や身体には周りの方のためにできることが備わっています。そのことは自分自身の支えにもなるのではないでしょうか。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。