Life style 今日も一日おつかれさま

アヒンサー

インドにはジャイナ教という宗教があります。ジャイナ教は、仏教にとても良く似た兄弟のような宗教と言われますが、あえて何が違うのかといえば「アヒンサー(不殺生)」の徹底です。生き物を傷つけたり殺したりすることは、カルマを溜めてしまうというのです。

ジャイナ教のお坊さんは執着を捨てるために、完全に全裸か、または布を一枚だけ身につけ、移動するときには必ず自分の前を掃きながら静かに歩きます。小さな虫を踏みつけて殺生することのないようにするためです。

ふと気づけば、私の友人の中でもヴィーガンが増えています。私自身はまだヴィーガンにはなっていませんが、以前より肉や魚を進んで食べることは減りました。無理をして我慢するというよりも、身体の声に耳を傾けてみたら、自然とあまり欲しなくなったような感覚です。

人類がアヒンサーに気づき始めているのでしょうか。



Profile

松本紹圭
東京神谷町・光明寺の僧侶。
東京大学を卒業後、僧侶になり、その後、インドでMBAを取得するといった、異色の経歴を持つ。最新刊『こころを磨くSOJIの習慣』(ディスカバートゥエンティワン)ほか、著書も多数。
朝、お寺に集まり、お経を読み、境内を掃除し、対話をする”テンプルモーニング”も人気。開催日の詳細はツイッター(@shoukeim)にてチェックを。