鬼が笑うと言うけれど

「来年の話をすると鬼が笑う」という言葉があります。

この言葉は、人間が来年の話をすると、人間の寿命を知っている地獄の鬼がそれを聞きつけて「いつ死ぬとも分からないのに」と、そのおかしさをあざ笑う言い伝えが由来とされています。

私達は誰もが明日を知れない命を生きています。そのことは今年のコロナ禍や自然災害に触れる中で実感した方も多いでしょう。

来年はどんな年になるのか、私には分かりません。無事に迎えられるかどうかも分かりません。それでも、希望を持って毎日を過ごせればと思います。

新しい年を祝い、一緒に笑いたいなと思うのです。

今年もあと一日、あと数時間。あなたの今を大切に、どうぞよいお年を。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。