Life style今日も一日おつかれさま

執着とやる気

仏教を優しく説く友人の僧侶が、悟りをめぐる話の中で「悟っているとかいないとかは、究極どうでもよくて、要は、苦しまずに生きられればいいんですよ」と言っていました。そう、難しく考えずとも、苦しまずに生きられればいいんですよね。


それはつまり、執着せずにサラサラと生きられればいい、ということ。執着もクセみたいなものだから、少し時間はかかるけど、意識すればクセを直すのと同じように少しずつ変わっていきます。


「執着が消えてしまうと、みんなやる気が出なくなって、社会が回らなくなるのでは?」という疑問が出るかもしれません。でも、大丈夫。日常生活の中で執着から離れる修行を重ねれば、世のため人のためその人が本当に取り組むべき仕事に邁進するようになることは、過去に存在した数々の先人たちが証明しています。


安心して、執着心を一枚一枚、脱ぎ捨てていきましょう。



Profile

松本紹圭
東京神谷町・光明寺の僧侶。
東京大学を卒業後、僧侶になり、その後、インドでMBAを取得するといった、異色の経歴を持つ。最新刊『こころを磨くSOJIの習慣』(ディスカバートゥエンティワン)ほか、著書も多数。
朝、お寺に集まり、お経を読み、境内を掃除し、対話をする”テンプルモーニング”も人気。開催日の詳細はツイッター(@shoukeim)にてチェックを。