Life style今日も一日おつかれさま
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」宮沢賢治のことばです。
宮沢賢治は日蓮、法華経への深い信仰を持ち、大乗仏教を体現してました。アメニモマケズなどは、菩薩の行者そのもの。そんな彼の中には、個人の幸福の総和としての世界のぜんたい幸福、といった考え方はなかったに違いありません。
「個人と個人ははっきりと分けられないから、個人と世界はどこまで行ってもつながっている」というのでもまだ生ぬるいでしょう。「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」と言い放った宮沢賢治においては、「個人の幸福」の前に「世界がぜんたい幸福」が先立っています。
世界とは何か、個人とは何か。宮沢賢治は私たちに問いかけています。
Profile
松本紹圭
東京神谷町・光明寺の僧侶。
東京大学を卒業後、僧侶になり、その後、インドでMBAを取得するといった、異色の経歴を持つ。最新刊『こころを磨くSOJIの習慣』(ディスカバートゥエンティワン)ほか、著書も多数。
朝、お寺に集まり、お経を読み、境内を掃除し、対話をする”テンプルモーニング”も人気。開催日の詳細はツイッター(@shoukeim)にてチェックを。