春は枝頭に在りてすでに十分

昔、ある中国の詩人が春の気配を求めて杖をつきながら一日中山々を歩いてみるも、春の兆しさえも見つけることもできませんでした。

しかし、家に帰ってきてふと庭の梅の木を見上げると、枝の先に梅花のつぼみがふくらんでいるのを見つけ、春の気配を十分に感じることができたそうです。

春は遠くの山々の中ではなく、自分の家の内にあったのです。

何かを求めて遠くへ行くことも良いですが、案外求めているものは自分の中にあるのかもしれません。

遠くへ行けない日々が続きそうですが、そんな時は自分の内側を旅してみてはいかがでしょうか？

Profile

横山瑞法
（よこやま ずいほう）
1981年生。山梨県南アルプス市にある日蓮宗法源寺・林應寺住職。祖母、妻、3人の子どもと暮らす。趣味はキャンプ・アウトドア。お寺での朝掃除の会「テンプルモーニング」を全国に広めるために活動中。山梨県の超宗派僧侶のグループ坊主道に所属し、多職種の人たちや学生と共に活動する一般社団法人SOCIAL TEMPE理事を務める。
Instagram:@zuiho.yokoyama