Life style今日も一日おつかれさま
何気ない毎日の中でも、仕事や家族、子育て、人間関係など、なんだかモヤモヤしてしまう「お悩み」は湧いてくるもの。そこで、今回は「今日も一日おつかれさま」のコーナーで、ご執筆いただいている僧侶のみなさまに、お悩みを解決するためのヒントをいただきます。
事前にご応募いただいたお悩みに、3人の僧侶がお答え。3週に渡ってお届けします。お一人目は、お寺カフェの店長や、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う 木原祐健(きはら ゆうけん)さん。
先行き不安なこの時代に生きる私たち。みんな同じ悩みではないけれど、ひととき、心をほぐすきっかけになれば幸いです。
〜 お悩み 〜
更年期の影響なのか、 コロナ鬱なのか、 先のことを考えると不安になります。
常にではないのですが、この先のことが不安になり 心が不安定になり、怖くなり体調がすぐれなくなります。
漢方を処方してもらっており、徐々に快方に向かってはいます。 戦時中を生き抜いた祖母や、街を歩く元気な高齢者を見ては、健康で明るく年齢を重ねたいなと願うばかりです。
不安な気持ちにならないようにするにはどうしたらいいでしょう。 よろしくお願いします。
こみさん 50歳
〜 お悩み解決のヒント 〜
「不安にならない」と心がけるより、「不安になってもいい」と思うようにしてみてはいかがでしょう。
こみさん、ご相談をお聞かせ頂きありがとうございます。
この先のことが不安になると書いておられますね。コロナ渦巻く不安定な時代に生きていて、お身体も移ろいやすい時期にさしかかられて。ご体調が不安定になるのも無理のないことです。お寺を訪ねる方にも、ご不安を訴えられる方がしばしばいらっしゃいます。
「こころ」って、放っておくとコロコロ転がるから「ココロ」っていうらしいです。川村妙慶さんという女性のお坊さんの法話でそのように聞き、膝を打った覚えがあります。ともあれ、心は転がりやすいもの。たとえば、「不安にならない」と心がけるより、「不安になってもいい」と思うようにしてみてはいかがでしょう。そして、ご不安なときは、そのときのご自分にできそうなことを、一つだけでもしてみるのはいかがでしょうか。健康で明るく年齢を重ねたいのは大事な願いです。お祖母様や周囲の方を思うお気持ちも素晴らしいことです。今のこみさんにできること、合ったことを、ゆっくりなさってみてはいかがでしょう。きっと、こみさんに合う形の健康や明るさがやってくると思うのです。
お答えいただいたのは…
木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。
著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。
木原さんを含めた、僧侶のみなさんによるリレー連載『今日も一日おつかれさま』は、毎週、月曜日・木曜日・日曜日の22:00に更新しています。一日の終わりに読むと、肩の荷がふっと降り、スイッチをオフにできます。こちらも併せて、ぜひご覧ください。
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