Life style今日も一日おつかれさま

【お坊さんにお悩み相談】神経質で心配性。どうしたらもっと楽に生きられる?

何気ない毎日の中でも、仕事や家族、子育て、人間関係など、なんだかモヤモヤしてしまう「お悩み」は湧いてくるもの。そこで、今回は「今日も一日おつかれさま」のコーナーで、ご執筆いただいている僧侶のみなさまに、お悩みを解決するためのヒントをいただきます。

事前にご応募いただいたお悩みに、3人の僧侶がお答え。3週に渡ってお届けします。お一人目は、お寺カフェの店長や、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う 木原祐健(きはら ゆうけん)さん。

先行き不安なこの時代に生きる私たち。みんな同じ悩みではないけれど、ひととき、心をほぐすきっかけになれば幸いです。


〜 お悩み〜

神経質な自分が嫌です。

神奈川県在住、6歳と1歳の息子をもつ主婦です。
昔から神経質で心配性な性格ではあったのですが、長男が1歳の時に入院したのをきっかけに、異常なほど心配性になってしまい、家族の健康、自身の健康についていつも不安で、浮き沈みが激しく、落ち込むことの多い日々です。愛おしい息子たちとこんなにもったいない日々を過ごしてしまう自分が嫌で、強くなりたいといつも思っています。色々ある人生の中で、楽しく生きるための思考や考え方があれば、教えていただきたいです。

ゆっこさん 36歳


〜 お悩みの解決のヒント 〜

ほんの少し、身体と心をゆるめる時間を持ってみてはいかがでしょう?

ゆっこさん、ご相談をお聞かせ頂きありがとうございます。ご家族思いできめ細やかなお人柄が伝わってまいります。
お二人のお子さんを育てるのは大変なことだと思います。男の子は活発ですが、思わぬ怪我も病気もしやすいものです。私も小さな頃からたくさんの怪我や病気をしました。本名は「健(たけし)」と言いますが、健康に育つことが両親の願いだったのだとよく思います。
親が子供を思う気持ちはいつも深いものです。健康を心配するのも不安になるのも、大事に思っているからこそだと思います。

不安は生物に備わった危機を察知する能力だと聞いたことがあります。不安を感じない生き物は危険を避けることができません。人間が狩猟を主に生きていたころ、不安をセンサーに様々な危機を乗り越え、生き残ってきました。ただ、今日の私達にとっては不安が強く出過ぎることが、身体や心をつらくさせてしまう原因にもなります。
もしできるのであれば、どなたかにお子さんのお世話を少しだけ代わって頂き、身体と心をゆるめる時間を持ってみてはいかがでしょう?

「色々ある人生の中で、楽しく生きるための思考や考え方」について。「ありのままに、ひたむきに」大谷光淳という浄土真宗のお坊さんの言葉です。心が不安なままでもいい。強くならなくてもいい。それでも、そのままで安心して生きていける考え方もあるんですよ。ゆっこさんが健康を心配するのも不安になるのも、お子さんを大事に思っているからこそだと思います。


お答えいただいたのは…

木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。
著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。


木原さんを含めた、僧侶のみなさんによるリレー連載『今日も一日おつかれさま』は、毎週、月曜日・木曜日・日曜日の22:00に更新しています。一日の終わりに読むと、肩の荷がふっと降り、スイッチをオフにできます。こちらも併せて、ぜひご覧ください。

※『今日も一日おつかれさま』はプレミアム会員限定記事になります。
※プレミアム会員については、こちらを参照ください。