Life style今日も一日おつかれさま
何気ない毎日の中でも、仕事や家族、子育て、人間関係など、なんだかモヤモヤしてしまう「お悩み」は湧いてくるもの。そこで、今回は「今日も一日おつかれさま」のコーナーで、ご執筆いただいている僧侶のみなさまに、お悩みを解決するためのヒントをいただきます。
事前にご応募いただいたお悩みに、3人の僧侶がお答え。3週に渡ってお届けします。先週の木原さんに引き続き、2週目をご担当いただくのは、浄土真宗本願寺派 教西寺僧侶/坊守、三宅千空(みやけ ちひろ)さん。
先行き不安なこの時代に生きる私たち。みんな同じ悩みではないけれど、ひととき、心をほぐすきっかけになれば幸いです。
〜 お悩み 〜
一年前に職場の先輩に指摘されたことが心に引っかかり、吹っ切れません。どうしたら気持ちが切り替えられまか?
同性の年上の先輩との関係についての相談です。
職場でうまく付き合っている、と自分では思っていた先輩から、一年前に自分の良くないところを直接指摘されました。 反省したのですが、ずっと心に引っかかっていて、なかなか吹っ切れません。
異動でその先輩とは この一年は関わりがなかったのですが、この春からまた近くで働くことになりそうで、不安感が拭えません。
自分の良くないところは変えていき、気持ちよく働きたいです。気持ちの切り替え方の アドバイスを頂けると嬉しいです。よろしくお願い致します。
にゃんこさん 42歳
〜 お悩み解決のヒント〜
指摘は攻撃ではないんです、傷つかなくても大丈夫
まずは、春から環境の変化があること、おつかれさまです。どなたからであれ、指摘を受けること、なかなか厳しい心持ちになられたことと思います。うまく付き合っていると思ってらした方からのご指摘であったならなおさら。
私自身は、指摘を受けたことに関しては、「大人になるといろいろ遠慮があって言いにくいことを、わざわざ伝えてもらえた」と、きついけれど有難く受け止めることにしています。そして、言ってもらった内容に関しては、「私自身が攻撃されたのではない」と心がけるようにしています(開き直るのとはちょっと違って)。
その人と私との間に「問題があった」のであって、「私が傷つけられる必要はない、大丈夫だよ」と、自分に声をかけるようにしています。
「また出来てないと思ったら、どうぞ教えてくださいね」と、変化しようとしているところを先輩に伝えていく。そして、にゃんこさんご自身の得意なところも見せていく。自分のことを少しだけ、相手に言葉や態度で伝えるようにする。そんなことをしていけると、いいのかもしれないなあ、と思いました。
先輩も以前の先輩とは違うかもしれませんし、「衝突やすり合わせはどんな人とも当然必要なもの」と思って新しく始まる日々を迎えてはいかがでしょうか。
「挨拶」はもともと仏教では「おして」「せまる」意味だったのだそうです。「何を言われるか」と閉じてしまいがちになるところから「おして」一歩踏み出し「せまり」先輩とうまくやっていきたいと挨拶をかかさず、ご自分をひらいて見せていくのも、大事かもしれませんね。春からの新しいお仕事環境に、こころの晴れるときがたくさんありますように。
お答えいただいたのは…
三宅千空
(みやけ ちひろ)
浄土真宗本願寺派 教西寺僧侶/坊守(住職の配偶者)。「グリーフケア〜たいせつなものを失ったことを抱えながら過ごしてもいい、嬉しいときも困った時もお寺はあなたと一緒だよ」ということを、近所に住む子どもや親たちに気軽にお寺に寄ってもらうことを通して、伝えたいと思っています。
三宅さんを含めた、僧侶のみなさんによるリレー連載『今日も一日おつかれさま』は、毎週、月曜日・木曜日・日曜日の22:00に更新しています。一日の終わりに読むと、肩の荷がふっと降り、スイッチをオフにできます。こちらも併せて、ぜひご覧ください。
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