下を向いて歩こう

「春になると体調を崩す」という方がときどきおられます。春は気温が乱高下し、花粉や黄砂もやってきます。

4月は新年度。新しい環境に入る方も多く、気持ちが張り詰めて忙しい時期でもあります。この時期が苦手という方も多いのではないでしょうか。

私も、春はあまり得意ではありません。だから、最近は下を向いて歩くようになりました。いえ、落ち込んでいるわけではありません。萌えいずる草や咲く花だけでなく、草木の根っこや土も見るようにしているのです。

目に見えるものだけでなく、目には見えないけれど安定しているものにも思いを馳せてみましょう。少し、心が落ち着くような気がします。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。