Life style今日も一日おつかれさま
(前回からの続きです。)お話を終えてやってきた本堂で、お二人は自然に手を合わせます。お子さんは仏さまのお顔を見て楽しそうに笑っています。お母さんが「昔、里帰りしたときに遊びに行ったお寺のことを、思い出しているのかもしれません」と話してくれました。
お寺の時間は今ここにいながら、時を越えて大事な方を思い出す時間でもあります。お寺の空間は、言葉にならない様々なことを感じながら過ごすことができる場です。
仏様の前におられるお子さんを見ながら、私の拙い話よりもずっと大きなものをきっとお感じになっているんだろうな、と思いました。
お帰りの際、「いつでもおいで」と声をかけると、お二人は良いお顔を向けて下さいました。
Profile
木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。