お線香に火がともるまで

春・秋のお彼岸や夏のお盆は、多くの方がお墓にお参りする季節。お墓にお供えするお線香に火をつける機会が増えてきます。

普段はガスの炎でお線香の火をつけていますが、この時期には大きな香炉に炭火を焚いてお線香に火をつけます。じわじわ燃える炭火がお線香に十分に移って煙が出てきたら、お墓参りの方にお渡しします。

お線香に火がともるまで、お墓参りにいらっしゃる方と言葉を交わしながら、お線香から空に向かって立ち上る煙を見ながら、静かで豊かな時間をご一緒します。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。