Life style今日も一日おつかれさま

良い香りの染みた人

10月の晴れた日、法衣の衣替えを行いました。冬用の黒い衣は夏のものより少し厚地で、手に取るとお香の香りがふわりと漂ってきます。

浄土真宗の開祖、親鸞は「染香人(ぜんこうにん)」という言葉を残しています。

お香をたいた衣類に香りが染みるように、良い習慣を続けていると、その人の身体にも心にも良い習慣が影響し、定着していくものです。良い習慣が身に染みた人は、かぐわしい香気が漂うように、いつしかご自分にも周囲にも自然と良い影響を与えていくことでしょう。そのような人を“染香人”と呼びます。

日々の良い習慣が良い香りに変わるまで。時間はかかるけれど、試してみる価値はありそうです。


Profile

木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。