星月夜のようなある日の考察

坐禅をするときは
開いた手のひらを重ね合わせ環を作る
目は半開きですこし遠くを見つめる

内から湧き上がってきた想いを
握り締めてしまわぬように
繋がりを絶ち独りよがりにならぬように

わたしたちは一人ではないのだと
身体に表している

私という枠から解き放った想いは
それがたとえ怒りや嫉妬であったとしても
この世をめぐりその果てに
なにかのためになっているかもしれない

そうだといい
そうであってほしい

Profile

早坂宏香
（はやさかひろか）
曹洞宗 正壽寺 寺族（ji zoku・住職の配偶者）。お寺の暮らしで出会ったことを綴るイラストコラム「お寺暮らし画帖」を2010年から毎月１作発行中。2013年曹洞宗准教師資格を取得し、自坊の坐禅会では四季を感じる季節のお粥を提供するなど、絵と食をテーマに「私たちの毎日にある禅のおしえ」を提案している。趣味は半身浴・読書・美術館の椅子でぼんやりとする時間。
正壽寺Instagram: @thezen_shoujuji