一枚のハンカチから

「ハンカチは、いつも人の身近にあって、手をふく、涙をふくなど、生活や感情に寄り添ってくれるもの」

編集者・林央子さんの本を通じて最近知ったひとことです。

ハンカチを「手をふくもの」だけでなく「涙をふくもの」として捉え直したとき、手元のハンカチと、涙への視点が変わりました。

ハンカチがあるから拭ける涙もあるのかもしれません。身近に寄り添ってくれるものや人などがあるから、安心して涙を流し、その涙を拭くことができる。そういうこともあるのかもしれません。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。