自分の名前、呼ばれていますか？

先日、大きな病院でいくつか検査をした際、検査毎に「お名前は？ フルネームで」と聞かれ、何回も自分の名前を伝えました。けれど、その度に感じたのは、音声としての自分の名前に、あまり馴染みがないな、ということ。

坊守（ぼうもり／お寺での呼称）さん、奥さん、お母さんなどと呼ばれることが多い私だからでしょうか。

ところで、南無阿弥陀仏という念仏は、阿弥陀さんの「我が名をとなえよ」との呼びかけへの返答、との意味合いもあります。名を呼んで初めて、仏様の世界に近づきます。

自分の名もたまには意識しないと、役割だけの自分に埋没しそうですね。たまには自分の名前、呼んでもらいましょう！ 本来の自分を取り戻すきっかけになるかも？

Profile

長野 文
（ながの あや）
長崎県正法寺 坊守（住職の配偶者）、真宗大谷派僧侶。お寺や仏教のことを、「今」生きる方に伝えるべくさまざまな方法で発信中。最近は、「行いがわたしを導く時間 」というお寺ならではの作業を、楽しみながら学んでいくワークショップ形式の活動に取り組み中。