Life style今日も一日おつかれさま

曖昧が故に世界は輝く

南アフリカで活動する画家、フィリップ・バロウ(Philip Barlow)氏は「視力の悪い人が裸眼で見ている世界」をキャンバスに再現した、抽象画家です。

幼少期より、強い近視で乱視も入る私は、“メガネ”という矯正器具を外して目の前に広がる世界が、煩わしいものでしかありませんでした。

しかしバロウ氏の作品に触れ、こんなに抽象的で、美しく世の中を見る目を持っていたことを、初めて知りました。

曖昧だからこそ現れる、素晴らしい世界もあるのだと気付かされた出来事でした。


Profile

早坂宏香
(はやさかひろか)
曹洞宗 正壽寺 寺族(ji zoku・住職の配偶者)。お寺の暮らしで出会ったことを綴るイラストコラム「お寺暮らし画帖」を2010年から毎月1作発行中。2013年曹洞宗准教師資格を取得し、自坊の坐禅会では四季を感じる季節のお粥を提供するなど、絵と食をテーマに「私たちの毎日にある禅のおしえ」を提案している。趣味は半身浴・読書・美術館の椅子でぼんやりとする時間。
正壽寺Instagram: @thezen_shoujuji