思いを量ることなかれ

「量る（はかる）」という言葉には「推測する」という意味があるそうです。

思い量るとは「思いをめぐらせること」で、そこに「非ず（あらず）」が加わると、「思いめぐらせるべからず」――いわゆる＜非思量（ひしりょう）＞になります。

この言葉は、曹洞宗を興した道元さまが、坐禅について話をされる際に、よく使われていたそうです。

それはまるで、私をそのままに抱きしめるようにと語りかけられているようにも感じられ、とても大好きな言葉の一つになりました。

Profile

早坂宏香
（はやさかひろか）
曹洞宗 正壽寺 寺族（ji zoku・住職の配偶者）。お寺の暮らしで出会ったことを綴るイラストコラム「お寺暮らし画帖」を2010年から毎月１作発行中。2013年曹洞宗准教師資格を取得し、自坊の坐禅会では四季を感じる季節のお粥を提供するなど、絵と食をテーマに「私たちの毎日にある禅のおしえ」を提案している。趣味は半身浴・読書・美術館の椅子でぼんやりとする時間。
正壽寺Instagram: @thezen_shoujuji