午後1時、となり町のそば屋にて

暑さを避けて逃げ込むように入ったお蕎麦屋さんのメニューに、「とろろ蕎麦」が大きく掲載されていました。

山芋料理を見ると必ず思い浮かべる人がいます。いつもこの時期に背の丈ほどある山芋を手土産にふらりとお越しになり、取り留めもない話をたくさんきかせてくれました。

少し前に最後のお別れをしたので、残念ながらもうお会いすることは叶いませんが、こうしてまた思い出の中で出会えることができて嬉しく思っています。

Profile

早坂宏香
（はやさかひろか）
曹洞宗 正壽寺 寺族（ji zoku・住職の配偶者）。お寺の暮らしで出会ったことを綴るイラストコラム「お寺暮らし画帖」を2010年から毎月１作発行中。2013年曹洞宗准教師資格を取得し、自坊の坐禅会では四季を感じる季節のお粥を提供するなど、絵と食をテーマに「私たちの毎日にある禅のおしえ」を提案している。趣味は半身浴・読書・美術館の椅子でぼんやりとする時間。
正壽寺Instagram: @thezen_shoujuji