心に火をともす小さな箱

大掃除の最中、古いマッチ箱を見つけました。40年以上前にお寺で作っていたもののようです。

そういえば、日々の暮らしの中でマッチを使うことは少なくなりました。ガスコンロに着火するにはチャッカマンの方が便利ですし、直火で点火する昔ながらの灯油ストーブもずいぶん前に使わなくなりました。

家の中で今でもマッチを使う場所、お仏壇にマッチを持っていきます。

何度か試してみると、うまく火が点いてくれました。マッチからろうそくに火をうつすと、懐かしい人達の顔が思い浮かび、いつもより少し厳粛な気持ちになりました。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。