Life style今日も一日おつかれさま

精霊と秋冬支度

ようやく秋冬支度の気候になり、境内にはメンテナンス中の干し物が並んで賑やかです。

日本には道具を大切にする習慣が広く受け継がれていて、その精神は道具に宿る精霊「付喪神」信仰にも現れています。

付喪神絵巻は打ち捨てられた道具たちが発起して精霊を宿し、人間たちに仕返しをしますが、最終的には改心して仏道修行に励むという物語で、ちゃっかり仏道に励んでしまうあたりがまた日本らしいです。

この夏お世話になったものたちには、どんな精霊が宿っているのかしら?

想像しながらのメンテナンスはきっともっと楽しくなるでしょうね。


Profile

早坂宏香
(はやさかひろか)
曹洞宗 正壽寺 寺族(ji zoku・住職の配偶者)。お寺の暮らしで出会ったことを綴るイラストコラム「お寺暮らし画帖」を2010年から毎月1作発行中。2013年曹洞宗准教師資格を取得し、自坊の坐禅会では四季を感じる季節のお粥を提供するなど、絵と食をテーマに「私たちの毎日にある禅のおしえ」を提案している。趣味は半身浴・読書・美術館の椅子でぼんやりとする時間。
正壽寺Instagram: @thezen_shoujuji