雨のように大地を潤す

強い雨が窓を打つ音の中、この原稿を書いています。

雨粒は、みずから横なぐりに降るわけでなく、風に吹かれて漂うように降り注ぎます。

一つ一つの雨粒は、行く先を選ぶわけでもなく、ただ身を委ね、地へと還っていきます。自分自身をかえりみると、望む方向へと進もうとして流れに逆らい、思い通りにならないことに苦しむことが少なくありません。

雨粒のように、流れに身を任せて大地を潤すことができればいいのですが、なかなかそうもいきません。

降り注ぐ雨粒のように、日々の出来事に身を委ねながら、周りを静かに潤しながら生きてみたいものです。

Profile

横山瑞法
（よこやま ずいほう）
1981年生。山梨県南アルプス市にある日蓮宗法源寺・林應寺住職。祖母、妻、3人の子どもと暮らす。趣味はキャンプ・アウトドア。お寺での朝掃除の会「テンプルモーニング」を全国に広めるために活動中。山梨県の超宗派僧侶のグループ坊主道に所属し、多職種の人たちや学生と共に活動する一般社団法人SOCIAL TEMPE理事を務める。
Instagram:@zuiho.yokoyama