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報恩講の味

先月末に、お寺で「報恩講(ほうおんこう)」を行いました。

報恩講は浄土真宗を開いた親鸞(しんらん)さんをしのんで行われる一大行事です。毎年盛大な法要を行うのですが、その前後に「お斎(おとき)」と言われる精進料理のお膳を皆で作り、いただく伝統があります。

お膳にはお赤飯やお煮しめが並べられます。親鸞さんは小豆がお好きだったとか。お煮しめは、皆さんが持ち寄った野菜から作られ、大きな鍋で炊かれます。

手作りのお斎は、シンプルだけれど心がこもった味がします。大事な人を思って食事を作ることからにじみ出る味です。


Profile

木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。