差を取ることの難しさ

12月8日は、お釈迦さまがさとりを開いたとされる日。たくさんのお寺で「成道会（じょうどうえ）」という法要が行われました。

さて、「さとり」とは何か？色々な考え方がありますが、浄土真宗のお坊さんの先輩に聞きますと、冗談めかしながら『「差」を「取る」から「さとり」だよ』と教えてくれました。

自分のことも他者のことも、全く差をつけることなく、私心なく考えて行動することができたら、それが「さとり」だというのです。

そうありたいな、と思いつつ、スーパーで「半額」のシールが貼られたお総菜を取り合い、隣のレジとのスピードの違いに一喜一憂する。

さとりとはほど遠い自分です。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。