寄せては消える波の中で生きている

「いろいろ続きますねぇ」

前回書いたことを、お寺で対面するご遺族にも言うことがあります。

死別や家族内の変化がたびかさなっているご遺族と、出会うことがあるのです。私も立て続けに多くを経験し、なぜか「続く時は続く」と再確認しました。

しかしそれもいつしか過ぎ去り、また私は誰かに言うのでしょう。

「いろいろ続きますねぇ」と。

そうやっていろんな人の周りに大きな波がやっては消え、そして時にはまた、私の周りにも押し寄せてくる。人と人との繋がりの中に生きている証のようです。

どんな荒波も、どこかにある静寂を探しながら、 たゆたっていけたらいいですね。

Profile

長野 文
（ながの あや）
長崎県正法寺 坊守（住職の配偶者）、真宗大谷派僧侶。お寺や仏教のことを、「今」生きる方に伝えるべくさまざまな方法で発信中。最近は、「行いがわたしを導く時間 」というお寺ならではの作業を、楽しみながら学んでいくワークショップ形式の活動に取り組み中。