Life style今日も一日おつかれさま

とげが刺さって考える

お寺の廊下を歩いていたら、靴下をはいた右足にチクッと違和感あり。かかとの真ん中に小さなとげが刺さっていました。古い床板のささくれを思い切り踏んでしまったようです。

それからは、とげのことで頭がいっぱいです。とげ抜きを使い、歩き方を工夫し、とげの抜き方を検索します。

道行く人を見ながら、「この人もどこかにとげが刺さっているのかもしれない」と想像するようになります。巣鴨のとげぬき地蔵尊が俄然気になります。

数日後、ふとした時にとげはきれいに抜けました。

しかし、道行く人を見て「どこかにとげが刺さっているかもしれない」という思いはなんだか抜けずにいます。心にやさしいとげ抜きがあればな、と思います。


Profile

木原祐健
(きはら ゆうけん)
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』(河出書房新社)など。