おやすみからおはようまで

子どものころ、目を閉じると見えなくなることが不思議でした。布団にもぐって、眠ったあとの僕はどうしているんだろう？ そんなことを考えたものでした。

気がついたら、いつも朝になっていました。当たり前のように朝が来て、パンの焼ける匂いがしました。

眠った自分がどうしているかはわからなかったけれど、きっと両親に見守られていたのだろう。今にして、そんなことを思います。

これをご覧のあなたのお心の中にも、どこかであなたのことを大切に思い、見守る方がいらっしゃるのではないでしょうか。

おやすみ前のひとときなど、その方のお顔を思い浮かべていただければと思います。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。