何気ない毎日の中でも、仕事や家族、子育て、人間関係など、なんだかモヤモヤしてしまう「お悩み」は湧いてくるもの。そこで、今回は「今日も一日おつかれさま」のコーナーで、ご執筆いただいている僧侶のみなさまに、お悩みを解決するためのヒントをいただきます。
事前にご応募いただいたお悩みに、3人の僧侶がお答え。3週に渡ってお届けしてきましたこの企画、今週でいよいよラストの週となりました。
先週の三宅さんに引き続き、3週目をご担当いただくのは、日蓮宗法源寺・林應寺住職。お寺での朝掃除の会「テンプルモーニング」を全国に広めるために活動中の横山瑞法(よこやま ずいほう)さん。
先行き不安なこの時代に生きる私たち。みんな同じ悩みではないけれど、ひととき、心をほぐすきっかけになれば幸いです。
〜 お悩み 〜
夫に不倫をされたことが許せず、
今後の人生をどう生きればいいか、わかりません。
ちょうど10年前、主人の不倫が発覚しました。
今まで、数々の不倫をされ、許せない気持ちが溜まり切ったとこに、ドッカーンとものすごい不倫をされました。当時は子供の学校やお稽古にお金もかかり、我慢しようと決意。 あっと言う間に11年くらい経ちました。52歳になった今、やっぱり嫌な思い出から逃れられず、心に残ったまま、今を過ごしています。
このままでいいの?いや、もう自由になればいい。ここまできたから、もう目を瞑って生きていけばいい。 自分の幸せがわからなくて、露頭に迷い辛いです。 とはいえ、不自由なく性格できている事には感謝しています。
ただ、残りの人生をどうすればいいかがわかりません。このまま一生を終えていいのか、本気でわかりません。
かなさん 52歳
〜 お悩み解決のヒント〜
答えはあなたの中にあります。あなたの声を聞いて。
答えは「本気でわからない」というあなたの心の中にあります。
きちんと時間をとって日常の煩わしさや喧騒から離れて、静かに落ち着ける環境へ行って、妻だとか母だとかそういった役割はいったん手放して、自分の心と対話をする時間を持ってみてはどうでしょうか。
そして、一つひとつ自分の心に聞いてみるのです。
なぜ、嫌な思い出から逃れられないのか?なぜ、もう自由になればいいと思うのか?なぜ、もう目を瞑って生きていけばいいと思うのか?お金の面で不自由なく生活できればそれでいいのか?10年後どんな自分でいたいのか?
これはとても苦しい作業だと思いますが、焦らず一つひとつ自分に問うていくことで、絡まっていたものが少しずつ解けて、ありたい自分が見えてくるのだと思います。人生100年時代。まだ折り返したばかりではないですか。
あなたの人生の主(あるじ)は、ご主人でも子どもさんでもなくあなた自身です。他人が代わりにあなたの心の声を聞くことはできません。答えはあなたの中にあります。苦しみながら自分の心と向き合って、向き合って、そして踏み出す小さな一歩はどんな一歩であれ、あなたを幸せへと導く一歩になるはずです。
お答えいただいたのは…
横山瑞法
(よこやま ずいほう)
1981年生。山梨県南アルプス市にある日蓮宗法源寺・林應寺住職。祖母、妻、3人の子どもと暮らす。趣味はキャンプ・アウトドア。お寺での朝掃除の会「テンプルモーニング」を全国に広めるために活動中。山梨県の超宗派僧侶のグループ坊主道に所属し、多職種の人たちや学生と共に活動する一般社団法人SOCIAL TEMPE理事を務める。
Instagram:@zuiho.yokoyama
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