新しい景色を重ねながら、人生をともに歩んでくれる腕時計。ときに灯台のように未来を照らし、ときに伴走し、ときに初心に帰らせてくれる――そんな風に、私たちの毎日を支えてくれる腕時計は、その選び方にも個性や知性が滲み出るもの。
そこで、本特集では、12人12様の腕時計にまつわるストーリーを、手元のスナップとともにお届け。
4人目は、フォトグラファーの地主晋さん。『AMARCmagazine issue.01』でも取材をさせていただいた地主さん。magazineでは、パリと地主さんの30年間のリレーションシップを、地主さんの写真とともにまとめました。そんな地主さんが、本企画のためにピックアップしてくれた時計も、パリで購入したものでした。

Q1.愛用している時計は?
ブランド名:エルメス
シリーズ名:ヴィンテージクロノグラフ・ランデロン422
Q2.愛用している時計を迎え入れたときのエピソードを教えてください。
10年ほど前に、出張で訪れたパリ・オデオンのヴィンテージウォッチ店で出合いました。一目惚れでした。1950年代の時計です。価格も手頃だったので、ムーブメントがランデロンであることを店のご主人に確認したうえで購入しました。
Q3.愛用している時計の気に入っているところは?
小ぶりなフェイスと、出っ張らず引っ込まずな佇まい。ヴィンテージで、ケースのサイズが、今のエルメスの規格とは異なるので、ベルトはアンティーク時計の店「ダズリング」でオーダーして、メンテナンスしています。ここ数年はグレー一択。
Q4.普段はこの時計を、どのようにつけていますか?
普段使いしていますが、なにせ70年前の機械式ムーブメント。気は使っています。ベルトがグレー、かつ、ケースがコンビということもあり、ドレスからカジュアルまで、さまざまスタイルにハマる1本です。
Q5.次に欲しいと思っている時計は?
ブランド名:パテック フィリップ
シリーズ名:カラトラバ 5196
亡くなった父から譲り受けた、古いカラトラバ2545(確か70年代のもの)を、自分なりにアップデートしたいと思っています。技術系のエンジニアでもあった父は、機械式のムーブメントが好きだったようで、ほかにロレックスの機械式時計も引き継ぎました。
Profile

フォトグラファー /
マディソンブルー取締役
地主晋
1986年にAPAアワード(日本広告写真家協会賞)の特選を受賞後、渡仏。88年に帰国後、数多くの広告・雑誌を手がけ、第一線で活躍している。
奥様で元スタイリストの中山まりこさんがディレクター兼デザイナーを務める「マディソンブルー」の取締役も務める。